
「塩ビ加工」と聞いても、具体的にどんな製品や技術なのか、パッとイメージが浮かばないかもしれません。
でも実は、カードケースやファイル、デスクマット、レインコートなど、あらゆるシーンで活用されている非常に身近な技術です。
この記事では、そんな塩ビの基本的な特徴から、軟質塩ビの代表的な加工方法と製品事例まで、写真と一緒にわかりやすくご紹介します。
目次
塩ビ(PVC)ってどんな素材?

塩ビは「ポリ塩化ビニル」の略称で、英語では PVC(Polyvinyl Chloride)と表記します。
プラスチック素材の一種で、軽くて加工しやすく、コストパフォーマンスにも優れているため、日用品から工業製品まで幅広く使われています。
硬質塩ビと軟質塩ビ
塩ビには大きく分けて2種類あります。
軟質塩ビ
シートやフィルム状に柔らかく加工されたタイプ
曲げても折れず、透明度が高いものから、レザーのような質感のものまであります。カードケース・バッグ・カバー類などに幅広く使われます。
硬質塩ビ
硬くて剛性が高いタイプ。水道管・建材・電気絶縁体などに使用されています。
この記事では軟質塩ビ(シート・フィルム状の柔らかいタイプ)の加工に絞って解説します。
軟質塩ビでつくれる製品事例
実際に三共で製作した製品をご紹介します。
身近なものから「こんなものまで?」という事例まで、幅広くご覧ください。
透明ポケット付きPVC製カードケース

ポケット部分はウェルダー加工で生地と一体溶着されており、使い込んでもはがれにくい仕上がりになっています。
社員証入れや会員証ホルダーとして、企業・施設・スポーツクラブなど幅広い場面で活用されています。枚数・サイズ・ポケット配置はオーダーに合わせて対応可能です。
仕切り・持ち手付きPVC製収納ケース

見た目や手触りはしなやかで高級感があります。
保護性のある塩ビレザー調にしつつ、硬質なベース構造による「高い形状保持力」を両立。
内側の仕切り部分もクッション性のある塩ビで覆われているため、収納物を傷つけることなくスマートに整理できます。
耐水性・耐汚れ性にも優れており、日常的なお手入れも簡単。金属やハードプラスチックにはない上質な手触りと静音性を実現した、機能性とデザイン性を高次元で融合させた事例です。
クリップ付きPVC製回覧板

表紙・本体には芯材を塩ビシートで包み込んだ高周波ウェルダー加工を施しており、しっかりとした厚みと高い堅牢性を実現しています。
回覧板は箔押しやシルク印刷による名入れ(文字入れ)に対応し、金属クリップで書類をしっかり保持。
見開きバインダーの内側には透明ポケットを溶着配置しており、書類や資料の保管・閲覧がスムーズに行えます。用途に応じた素材や寸法・金具・ポケットのカスタマイズが可能です。
安全ピン付きオリジナルバッジ



PVCの成形・溶着技術を活かすことで、小さなパーツでも精度よく仕上げることができます。
イベントスタッフの識別バッジ、会員証、販促グッズなどに。白色・透明の2素材を使い分けることで、印刷内容や用途に合わせた見やすさを確保できます。
透明PVC製お守りケース

長期間使用しても端から破れにくく高い耐久性を誇ります。透明度の高いPVC素材を使用しているため、納められたお札の文字や意匠を損なうことなく美しく納めることが可能です。
お札の大きさに合わせたサイズ調整や、吊り下げ用の紐・ハトメ加工、ホック(スナップボタン)の取り付けなど、授与品の仕様に合わせたオーダーメイド・特注制作に対応しております。
軟質塩ビの主な加工方法
「どうやってこんな形に加工するの?」という疑問にお答えします。
三共では複数の加工設備を自社で保有しており、製品の用途・形状・素材に合わせた最適な加工方法を選んでご提案しています。
高周波ウェルダー加工

主な用途:ケース・バッグ・カバー・バインダー類の接合・溶着
高周波電磁波を使ってPVC素材を内側から発熱させ、生地同士を融着させる加工方法です。
針も糸も使わないため、接合部に穴が開かず、水や埃の浸入を防ぐシームレスな仕上がりが実現できます。
縫製と比べて継ぎ目の強度が高く、使い込んでもほつれや剥がれが起きにくいのが特長です。透明度を保ちながら綺麗に溶着できるのも、PVC素材ならではの強みです。
ウェルダー加工については、下記記事で詳しく解説しています。
ウェルダー加工とは?高周波や超音波などの特徴と活用例を解説
裁断加工

シートやフィルムを製品の形状に合わせて切り出す工程です。
すべての製品づくりの出発点となる加工で、カットの精度がそのまま仕上がりの品質に影響します。
定寸カットはもちろん、複雑な形状への対応や、無駄を最小限に抑えた効率的な取り数設計も行っています。素材ロスを減らすことでコストを抑えた製品づくりにつなげています。
縫製加工

PVCシートと布地を組み合わせた製品や、ファスナー・ボタン取り付けなど、ウェルダーでは対応しにくい箇所に縫製を用います。素材の特性に応じて、ウェルダー加工と縫製を組み合わせたハイブリッドな仕様で対応することもあります。
縫製単体では針穴が開き防水性が低下するケースもあるため、用途に応じて加工方法の組み合わせをご提案しています。
プレス加工(油圧プレス機)

油圧プレス機を使って、PVC素材を型に沿って成形したり、ハトメ・スナップボタンなどのパーツを取り付けたりする加工方法です。繰り返し同じ形状を高精度で再現できるため、量産品の製造に適しています。
複雑な形状のケースや、金具取り付けを伴う製品では、ウェルダー加工とプレス加工を組み合わせることで、強度と精度を両立した製品をつくっています。
💡tips
プレス(型抜き)加工においては、製品形状に応じた専用の金型を使用します。
既成の金型を流用できる仕様であれば、新規の型起こし費用を削減できるため、全体の製作コストを低く抑えることが可能です。
費用を抑えて発注したい場合は、豊富な実績を持ち、多数の型資産を保有している加工メーカーへ相談・見積もり依頼をしてみるのがおすすめです。
まとめ

軟質塩ビ(PVC)は、透明度・柔軟性・耐水性・加工しやすさを兼ね備えた素材です。
カードケースやバインダーのような文具・事務用品から、工場で使う収納ケース・保護カバー、神社のお守りケース、イベント用のバッジまで、幅広い製品に活用されています。
- 「透明で中身が見えるケースが欲しい」
- 「耐水性のある収納グッズを特注したい」
- 「こんな変わった形のカバーを作りたいんだけど…」
そんなご要望があれば、まずはお気軽にご相談ください。手書きのメモやイメージ画像からでも、専門スタッフが一緒に仕様を考えます。
軟質塩ビ加工のご相談は三共へ
株式会社三共は、岐阜市を拠点に全国からご依頼を受けている、ビニール製品の自社製造メーカーです。
ウェルダー加工・縫製・プレス加工などの様々な加工法に対応できる設備を自社で保有しているため、低コスト短納期でご提案することが可能です。
ビニール製品の製作で「まずは小ロットから相談したい」「オリジナル形状で製作したい」とお悩みの方は、ご相談だけでもお気軽にお問い合わせください。
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