「ビニール製品をオリジナルで作りたい」「防水性の高いポーチやカバーを製作したい」
このようなお悩みを持つ企業担当者の方も多いのではないでしょうか。
PVC(塩化ビニール)を使った製品では、見た目の美しさだけでなく、防水性・耐久性・気密性なども重要になります。そこで活用されているのが「ウェルダー加工」です。
この記事では、ウェルダー加工の基礎知識から、高周波ウェルダーや超音波ウェルダーの特徴、活用例、依頼時のポイントまで分かりやすく解説します。

目次
ウェルダー加工とは?
素材同士を熱で圧着する加工方法
ウェルダー加工とは、熱や振動を利用して素材同士を圧着する加工方法です。
主にPVC(塩化ビニール)やTPUなどの樹脂素材に使用され、糸や接着剤を使わずに素材同士を接合できます。
加工時には、素材の表面だけではなく、素材の内部から自己発熱させて一体化させるため、強度が高く、きれいに仕上がりやすいのが特徴です。
また、素材同士が分子レベルで一体化することから、防水性や気密性にも優れており、水や空気を通したくない製品にも広く活用されています。
ウェルダー加工にはどんな種類がある?
高周波ウェルダー加工
高周波ウェルダー加工は、高周波の電磁波を利用して素材内部を発熱させ、圧着する加工方法です。
PVC(塩化ビニール)との相性が良く、均一に圧着ができるため、ビニール製品の加工で広く使用されています。
なかでも透明PVCを使用した製品では、見た目をきれいに仕上げやすい点が大きなメリットです。
また、金型を使用して加工することで、安定した品質で量産しやすいという特徴もあります。オリジナル形状にも対応しやすいため、OEM製品や販促グッズなどでも活用されています。
高周波ウェルダー加工が使われる製品例
- PVCクリアポーチ
- ビニールケース
- 医療用カバー
- 防水バッグ
- エアー製品
- 工業用カバー
超音波ウェルダー加工
超音波ウェルダー加工は、超音波振動による摩擦熱を利用して素材を接合する加工方法です。
局所的に熱を加えられるため、高周波ウェルダーと比較すると、小型部品や精密な加工に向いており、短時間で加工できる効率的な加工方法です。
超音波ウェルダー加工が使われる製品例
- 不織布製品
- 小型樹脂部品
- 医療関連部品
- 精密樹脂製品
熱板ウェルダーとの違い
ウェルダー加工には、熱板を使って加熱する「熱板ウェルダー」という方法もあります。
熱板ウェルダーは、加熱した板を素材に押し当てて接合するため、比較的シンプルな構造で加工できる特徴があります。
ただし、内部まで熱を伝えるのに時間がかかり、冷却を行う必要があるため、高周波ウェルダーと比較して加工時間が長くなる場合があります。
また、加工部分が広範囲に熱の影響を受けやすく、素材によっては圧着部分が目立ったり、透明PVCでは表面に曇り(熱ムラ)が生じたりすることもあります。
製品の用途や求める品質によって、適切な加工方法を選ぶことが大切です。
ウェルダー加工のメリット

縫製・接着剤との違い
【縫製】
メリット:糸で固定するため強度を出しやすい
デメリット:針穴ができるため防水性を確保しにくい
【接着剤】
メリット:異素材同士でも接着でき、自由度が高い
デメリット:経年劣化による剥がれや接着ムラが発生する場合がある
【ウェルダー加工】
メリット:防水性や耐久性に優れ、見た目もきれい
デメリット:専用設備や金型が必要なため、コストがかかる
こうした理由から、特に高い防水性と気密性が求められる「防水ポーチ」や「医療用カバー」、高い負荷がかかる「エアー製品」などでは、信頼性の高いウェルダー加工が多く採用されています。
防水性・気密性が高い
ウェルダー加工の大きなメリットの一つが、防水性や気密性の高さです縫製のように針穴ができないため、水や空気を通しにくく、防水製品やエアー製品に適しています。
そのため、屋外で使用する製品(テントや浮き輪など)や、水濡れ対策が必要な製品にも活用されています。
見た目がきれいに仕上がる
ウェルダー加工は、糸や接着剤を使わずに素材同士を圧着できるため、すっきりとした見た目に仕上げられます。
縫い目がなく、透明PVC製品でも圧着部分をきれいに見せやすいため、アニメグッズや販促品などのデザイン性が求められる製品にも採用されています。
量産に向いている
高周波ウェルダー加工では、金型を使用することで、特殊形状や複雑なデザインにも対応しつつ、安定した品質で効率よく加工しやすくなります。
既製品では難しいオリジナル製品の製作はもちろん、同じ製品を大量に生産する場合でも、品質のばらつきを抑えやすいため、量産品にも最適です。
ウェルダー加工のデメリット・注意点
素材によって加工できない場合がある
ウェルダー加工は万能ではなく、素材によっては加工に向かない場合があります。
特に高周波ウェルダー加工は、PVCのように「高周波で発熱しやすい素材」との相性が良い一方で、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)などの素材では十分な圧着が難しい場合もあります。
また、素材によっては、接合部分が剥がれやすかったり、加工時に変形しやすかったり、といったトラブルが起こることもあります。
そのため、製品企画の段階で使用する素材を確認することが大切です。
金型製作が必要になる場合がある
オリジナル製品を製作する場合、専用金型が必要になります。
初期費用は発生しますが、量産時には安定した品質や生産効率につながるため、長期的なメリットもあります。そのため、製品形状や用途によって、適切な金型設計を行うことが求められます。
加工条件の調整が重要
ウェルダー加工は、温度・圧力・加工時間などの条件によって仕上がりが変わります。条件設定が適切でないと、圧着不足や変形などのトラブルにつながることもあります。
そのため、加工実績やノウハウを持つ会社へ相談することが重要です。
【実例付き】ウェルダー加工の活用例
ここまででウェルダー加工の特徴やメリットについて解説してきました。
では、実際にどのような製品に活用されているのでしょうか。
岐阜県でPVC加工・ビニール製品の製作を行っている「三共」の事例をもとに、ウェルダー加工の活用例をご紹介します。
手帳カバー
PVC製の手帳カバーでは、高周波ウェルダー加工を用いて、透明窓部分やカバー端部をきれいに圧着します。
中身が確認しやすい透明窓がついており、手帳をケースから取り出すことなく、氏名や顔写真、障害の等級などの重要な項目をスムーズに確認できる仕様です。
日常的に持ち歩く大切な手帳を、擦れ・折れ・水濡れなどによる劣化から守り、長くきれいに保つことができます。


工業用カバー・ケース
工場設備や機械を保護するカバーにも、ウェルダー加工が使われています。
オリジナル金型を使用し、使用シーンに合わせてサイズや形状を一から設計。スナップボタン付きで、必要なときにすぐに取り外しができる仕様です。
特に防塵性や耐久性が求められる現場では、サイズや形状がぴったりな専用カバーは重宝されます。

医療・衛生用品
医療用カバーや防水ケースなど、衛生面や防水性が求められる製品でもウェルダー加工が活用されています。
気密性を確保しやすいため、医療・衛生分野との相性も良い加工方法です。
販促・OEM製品
企業向けノベルティやオリジナルグッズなど、OEM製品の製作でもウェルダー加工が活用されています。
オリジナル形状や印刷加工と組み合わせることで、独自性の高い製品づくりにつながります。
ウェルダー加工を依頼する際のポイント
加工実績が豊富か確認する
ウェルダー加工は、素材や形状によって加工条件が変わります。そのため、PVC製品の加工実績が豊富な会社へ相談することで、品質トラブルを防ぎやすくなります。
金型設計まで相談できるか
ウェルダー加工では、金型設計が仕上がり品質に大きく影響します。オリジナル製品を検討している場合は、金型製作まで対応できる会社へ相談するとスムーズです。
また、量産前に試作品を作成できるかも確認しておきましょう。実際に形状や使用感を確認することで、完成後のイメージ違いを防ぎやすくなります。
小ロット・量産どちらも対応できるか
試作品や小ロットからスタートし、将来的に量産へ移行を考えるケースも多くあります。そのため、小ロットから量産まで柔軟に対応できる会社を選びましょう。
PVC製品のウェルダー加工なら三共へご相談ください
三共では、岐阜県を拠点に、PVCを使用したオリジナルビニール製品の企画・提案・試作品製作・量産まで対応しております。
上下スライド高周波ウェルダー機を保有しており、オリジナル金型の製作にも対応可能です。
サンプル作成のご相談から量産まで、一貫してサポートしておりますので、ビニール製品の製作で「まずは小ロットから相談したい」「オリジナル形状で製作したい」とお悩みの方は、お気軽にご相談ください。